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こんにちは。
神田マタニティクリニック 日本料理担当の福岡です。(3人の写真の右端)
紅葉も色づきいよいよ冬到来です。
今回は、冬の料理の御紹介です。
・・・とその前に食材の仕入れ
<魚屋のカネキ>さん
口癖 (笑)良い物が <ある時>「今日は最高のが入ったでぇ!」
(泣) <ない時>「海が時化てたわ!」
急いで献立変更!
<八百屋のカワベ>さん
「まいど! 何でも言って下さいよ」(便利屋さんです)
ありがとう!
<肉のヒライ>さん
「・・・・・・」
無口ですが、肉は美味しい♪
以上のみなさんから 安全・安心な品物を仕入れてます。
本題に入りまして・・・
◎まず、毛蟹の酢の物 蕪(かぶら)酢・花丸きゅうり・若布・菊花(もって菊)
冬と言えば蟹。 ズワイガニ(松葉)・毛蟹・タラバガニ色々
今回は毛蟹身を調理(せせる)する時ももちろん無口になります。
蟹はズッシリ重い物を買いましょう!
◎汁 鱈の白子(雲子)・胡麻豆腐 白味噌仕立て せり・辛子
魚(白身)の骨・かつお昆布で出汁を取り、白味噌を溶き少し甘めで味付けしホッコリ暖まります。
味噌は少し頑張って良い物を買いましょう!
◎向 平目・ぼたん海老
紅・白より人参・独活(うど)・山葵(わさび)
平目も寒くなると脂が乗ってきます。
山葵には、菌の増殖を抑制と美容効果にも良いそうです。
◎凌 鯖寿司(バッテラ)
青背の魚は、少し強めの塩「強塩」(ごおじお)でしめ、脱水後酢でしめます。
◎焼 木の葉(朴)包み
牛サーロイン・銀杏・万願寺・白葱を朴葉(ほおば)で包み、もみじ・イチョウの葉をあしらい、初冬の風情を出しました。朴葉とは、飛騨高山の料理で朴葉味噌が有名です。
◎焚 小鍋
寒鰤・源助大根・法蓮草・柚子
ブリと大根。これは和食では出合いの物と言い、筍と若布・鱧と松茸など調度季節に美味しくなる者(旬)同志が出合う事です。
又、ブリは出世魚と言い関西では、モジャコ(幼魚)→ワカナ→ツバス→ハマチ→メジロ→ブリ(80cm以上)と名前が変わり、縁起の良い魚です。(地方により異なる)
小鍋で暖かさを演出。
ブリは、湯で霜降りして、うろこ・血などきれいに清掃して調理。
◎揚 河豚(フグ・フク)の竜田揚げ
栗・オクラ・酢立
竜田揚げとは、奈良の竜田川のもみじ(紅葉)の紅葉(こうよう)を見立て命名。
酒と醤油で下味付けして片栗粉で揚げる。
後、香の物・お食事・水菓子
以上
このように、野・山・海・肉・野菜・魚の物とバランスと季節感・味の変化など気を付けてお出ししております。
「おいしゅうございました」と患者様のメッセージを励みに調理しております。
味のよもやま話しでした
【院長より】
当院の和食の料理長の福岡さん(写真の右端)が仕入先や、冬の素材を元に文章を書いてくれました。
福岡さんは訪日した外国の首脳をもてなす際に和食を提供する誰もが知っている有名料亭で、何十人の調理人を率いて料理長まで務められました。
60歳になり指導者、管理者からもう一度自ら包丁を持ちたいとの職人魂で、縁があって一昨年前から当院で和食の料理長をしてもらっています。味は文句なし、素材に糸目をつけない料理を提供されるのは採算的には運営者である私も悩ましいところですが、私も美味しく味見をさせてもらっており容認している次第です。せっかくの腕を生かしてほしいですからね。
生きた車海老をつぶして下ごしらえをして次の日に出す煮物に調理するのを見ていると、新鮮な魚介類は生が一番と単純に考えていた私は「せっかくなら今、踊りで食べさせてー」と思ってしまいます。ところが、新鮮な素材をしっかり時間をかけて伝統的かつ芸術的な技で調理をするとそこに奇跡が起こり想像を絶する旨味があらわれて、私の思い込みなど浅はかだったと思わざるを得ません。
京の都で千年以上培われた和食の調理技術には感服するのみです。ただし、そんな使い方しているところは、一握りの料亭か神田マタニティだけでしょうね。
多くの産婦人科で祝膳と称して産後にご馳走を振る舞うご時世ですが、下請けの給食業者が作っているところが多く、そうした業者はコスト管理に厳しく原価率も抑えられます。当院にもそうした業者が過去に下請けをさせて欲しいと営業に来て試食をしたこともありますが、見た目は良いのですが食べると?でありお断りしました。
現在厨房のスタッフは和食、洋食、中華の専門を含め計6人いて、すべて当院自前のスタッフです。当院では毎日が特別な料理と考えており、祝膳というジャンルはありません。当院の人材と食材は、病院給食としてはやりすぎだと思います。(実は、医療スタッフも負けていませんが、ご紹介はまたの機会に)しかし分娩費用がそのぶん高いわけではないので、ご安心ください。
当院は何年も分娩予約が満員御礼で皆さまへ感謝、せめてもの還元と思い、普通の値段でありながらいいものを提供しています。
栄養過多ではないかとご指摘を受けることもありますが、分娩後の消耗期、産後一週間以内はしっかり補充することが肝要です。頑張られたお母様、体力的に栄養的に消耗しきった分娩直後のお母様には少しでも心身ともに満たされて回復してもらいたいので、遠慮なくしっかり完食してもらいたいと思います。
食べきれないときは、ご主人に手伝ってもらってくださいね。そして退院してからは、通常通り程よくバランスのいい食事をしてください。また時間がありましたら厨房のスタッフへのメッセージを一言、箸袋などに書いていただきますと幸いです。